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2026.05.13
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PRESS RELEASE

インフルエンザ流行をいち早く捉える― 下水データによる先行的サーベイランスを実証 ―Early prediction of type-specific influenza incidence using wastewaterbased epidemiology

村上道夫教授らの研究成果が公開されました。

概要

大阪大学感染症総合教育研究拠点(CiDER)の村上道夫教授、東京大学大学院工学系研究科附属水環境工学研究センターの北島正章特任教授(感染症総合教育研究拠点連携研究員)、大阪健康安全基盤研究所の左近直美主幹研究員らの研究グループは、下水中に含まれるインフルエンザウイルスRNA濃度を用いて、地域におけるインフルエンザ患者数を予測する手法を開発しました。

研究のポイント

  • 下水中のウイルスRNAを用いることで、インフルエンザ患者数を高い精度で予測できることを示した。
  • インフルエンザA型およびB型それぞれの流行状況を区別して推定できる手法を開発し、従来の患者報告に比べて、約1週間早く流行状況を把握できることを明らかに。
  • 臨床検査体制に依存せず、地域における実際の感染動向を反映できる可能性があることから、医療資源の配分や公衆衛生対策の迅速な意思決定への活用につながることに期待。

Title

Early prediction of type-specific influenza incidence using wastewaterbased epidemiology

Authors

Michio Murakami, Saeko Morikawa, Kaori Yamamoto, Yukino Yasuda, Hiroki Ando, Daisuke Motooka, Masaaki Kitajima, Naomi Sakon

Journal

Published online in Water and Environment Journal on May 13, 2026

DOI

https://doi.org/10.1111/wej.70060

村上 道夫 教授のコメント

下水中のインフルエンザウイルスを測定することで、公表されている患者報告データよりも約1週間早く、地域のインフルエンザ流行をA型とB型に分けて推定できることが明らかになりました。本論文では2025年4月までの結果を報告していますが、その後も調査を継続しており、構築したモデルにより流行状況を高い精度で推定できていることを確認しています。今回の研究成果により、インフルエンザ患者の増加に伴う入院需要を見据えた病床確保など、医療提供体制の早期準備に役立つことが期待されます。