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20269.01.10
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PRESS RELEASE

糖–脂質の“つなぎ目”が免疫を左右する –内在性糖脂質の連結部をわずかに変えた“擬糖脂質”開発によって、免疫応答の違いを発見–Linkage-Editing of β-Glucosylceramide and β-Glucosylcholesterol: Development of β-Selective C-Glucosylation and Potent Mincle Ligands

山﨑晶教授らの研究成果が公開されました。

概要

天然に存在する糖鎖・複合糖質は酸素原⼦(O-グリコシド結合)で連結されています。これを炭素原⼦(C-グリコシド結合)に変えた炭素連結型アナログは、天然型糖鎖・複合糖質の構造を模倣しつつ、糖加⽔分解酵素により分解されない⽣物機能分⼦として期待されています。C-グリコシド結合の構築法はいくつか報告されていますが、⽣物活性に大きく影響するグリコシド結合の立体化学(α/β)を制御し、⽣物活性分⼦創製に利⽤できる合成法は極めて限定的でした。

九州大学大学院薬学研究院の平井剛教授、寄立麻琴講師らの研究グループと、大阪大学微⽣物病研究所の山﨑晶教授(CiDER兼任)、石川絵里助教らの研究グループは、β-C-グルコシド結合のみを構築できる新手法を、光酸化還元反応とニッケル触媒による還元的カップリング反応を利⽤して開発し、様々な炭素連結型アナログの中間体(フルオロビニル-C-グリコシド中間体)の合成を実現しました。これを起点として、CH₂型、(R)-CHF型、(S)-CHF型の3種類の炭素連結様式をもつ擬β-グルコシルセラミド(β-GlcCer)および擬β-グルコシルコレステロール(β-GlcChol)の分岐合成に成功しました。さらに、炭素連結型擬β-GlcCerが、内在性の天然型β-GlcCer(O-グリコシド型)と比較して高い免疫活性を示すこと、さらに連結様式によって樹状細胞の成熟度が変化することを明らかにしました。

これらの成果は、内在性糖脂質の機能解析研究や、免疫治療薬開発への応⽤が期待されます。 本研究成果は、アメリカ化学会が出版する国際誌 Journal of the American Chemical Society のオンライン版にて、2026年1月10日(土)付で掲載されました。

研究成果のポイント

  • 天然に存在する糖鎖・複合糖質の構造を模倣する炭素連結型アナログは、糖加⽔分解酵素に分解されない有⽤な⽣物機能分⼦として期待されています。しかし、内在性糖脂質に多く見られるβ-グリコシド結合を模倣したβ-C-グリコシド結合を立体選択的に構築する手法は限られていました。
  • 今回、極めて高い立体選択性でβ-C-グリコシド結合を構築する新たな合成手法を開発しました。また、合成したC-グリコシド型糖脂質が天然のO-グリコシド型と比較して、自然免疫受容体Mincle(※6)の高い活性化能を示すことを見出しました。
  • 炭素連結型β糖脂質アナログ群は、糖脂質と免疫機能の関係理解を進めるとともに、創薬シーズへの展開や新たな免疫治療薬開発への応⽤が期待されます。

Title

Linkage-Editing of β-Glucosylceramide and β-Glucosylcholesterol: Development of β-Selective C-Glucosylation and Potent Mincle Ligands

Authors

Suzuka Chiba, Wakana Kusuhara, Eri Ishikawa, Makoto Yoritate, Taishi Miura, Kazushi Maeda, Haruto Takamura, Hiroaki Matoba, Sho Yamasaki, Go Hirai

Journal

Published online in Science Immunology, on January 10, 2026

DOI

10.1021/jacs.5c17740