抗体によるT細胞応答の新たな制御機構の発見ー自己免疫、アレルギー疾患の制御法や最適化ワクチン抗原の開発への応用に期待一Immune-induced TCR-like antibodies regulate specific T cell response in mice
荒瀬 尚 教授らの研究成果が公開されました。
研究のポイント
- 免疫応答の過程で、特定の抗原に反応するT細胞の働きを選択的に抑える新しい抗体「免疫誘導性T細胞受容体様抗体(Immune-induced TCR-like antibody:iTab)」が、マウスで自然に作られることを発見した。
- iTabは、抗原ペプチドとMHCクラスII分子を認識し、T細胞受容体(TCR)が抗原ペプチドの認識を妨げることで、抗原特異的な免疫反応を抑えることが分かった。また、iTabの誘導には、抗原ペプチドの両端にある「フランキング残基」が重要であることも明らかにした。
- 自己免疫疾患モデルマウスでは、iTabを誘導するペプチドで前もって免疫する、あるいはiTab自体を投与することで、病態の進行を抑えられることを示した。
- 将来的に、自己免疫疾患やアレルギーに対する抗原特異的な免疫制御法の開発や最適なワクチン抗原の設計への応用が期待される。
Title
Immune-induced TCR-like antibodies regulate specific T cell response in mice
Authors
Kazuki Kishida, Keisuke Kawakami, Hiroaki Tanabe, Wataru Nakai, Koji Yonekura, Shigeyuki Yokoyama, Hisashi Arase
Journal
Published online in Nature Communications on April 16 2026