障がい者施設における非結核性抗酸菌の感染ルートを解明Fomite transmission of Mycobacterium abscessus between severely disabled patients
中村昇太准教授らの研究成果が公開されました。
研究のポイント
- 西日本のある障がい者施設で発生した非結核性抗酸菌(NTM; Nontuberculous Mycobacteria)の院内感染事例において、環境調査と全ゲノム解析を行い、感染ルートを解明した。
- 水回りからは菌は検出されず、ワゴンや洗面台、医療機器モニターなどの乾燥した環境表面からNTMが分離され、それらのゲノムが患者由来株と高度に一致した。
- 本研究により、医療機器や患者周囲の設備など、乾燥した環境表面が感染伝播に関与する可能性が示され、これらを含めた清掃・消毒対策の重要性が明らかになった。
- NTMは一般的にヒトからヒトへの感染は起こさないと考えられており、本事例は人工呼吸器管理下などの限られた条件において生じた特殊な感染事例である。本知見は、ハイリスク患者を対象とする医療・福祉環境における感染対策の検討に資する成果である。
- なお本事例はきわめて特殊な条件下での感染事例であり、一般的な環境において同様の感染が広く生じるものではない。
Title
Fomite transmission of Mycobacterium abscessus between severely disabled patients
Authors
Shiomi Yoshida, Yuki Matsumoto, Aya Kajihara, Masahisa Funato, Kazunari Tsuyuguchi, Satoshi Mitarai, Kiyoshi Takemoto, Shota Nakamura
Journal
Published online in Clinical Microbiology and Infection on February 27, 2026