コロナ禍の日本の社会心理を30回・4年以上追跡したデータセットを公開 ―世界的にも稀な長期パネル調査データを整備―Dataset of social psychology in Japan during COVID-19: A 30-wave panel (January 2020–March 2024)
三浦麻子教授、山縣芽生連携研究員(同志社大学文化情報学部助教)らの研究成果が公開されました。
概要
大阪大学大学院人間科学研究科(感染症総合教育研究拠点兼任)の三浦麻子教授と、同志社大学文化情報学部の山縣芽生助教(感染症総合教育研究拠点連携研究員)の研究グループは、2020年1月から2024年3月までの約4年間にわたり、日本の成人を対象として、COVID-19禍における心理・行動・態度の変化を30回にわたって追跡したパネル調査データを、誰でも利用できる研究インフラとして整備しました。
本データは、リスク認知、感染予防行動、政策支持、外国人に対する態度、心理的ストレスなどを同一個人から繰り返し測定したものであり、コロナ禍関連の社会心理データとして30回に及ぶ長期パネルは、国際的にもほとんど類例がありません。データ一式はオープンサイエンス・フレームワーク(OSF)上で一般公開されており、研究や教育に限らず政策検討など幅広い分野の用途で、自由に二次利用することができます(CC BY 4.0)。
本成果は、2025年11月24日に国際誌 Data in Brief にデータ論文として公開されました。
研究のポイント
- 日本の成人を対象に、2020年1月〜2024年3月の約4年間にわたり、計30回のパネル調査を行い、コロナ禍の心理・行動・態度の変化を継続的に追跡した
- リスク認知・感染予防行動・政策支持・外国人への態度・心理的ストレスなどの匿名化された生データと、詳細なコードブックおよび調査票一式を、オープンデータとして公開した
- 他に類を見ない大規模な長期パネルデータを、国内外の研究者・実務家・教育現場が再分析や国際比較、授業等で利用できる研究インフラとして整備した
Title
Dataset of social psychology in Japan during COVID-19: A 30-wave panel (January 2020–March 2024)
Authors
Asako Miura, Mei Yamagata
Journal
Published online in Data in Brief, Volume 63, on November 24, 2025
DOI
https://doi.org/10.1016/j.dib.2025.112279

三浦 麻子 教授のコメント
いつ終わるとも知れないコロナ禍で、とにかく状況に応じた人びとの心の変化を追い続けようという執念で調査を続けました。振り返ってみると、当初の想定をはるかに超えて貴重なデータになったと感じています。調査にご協力参加者の皆さんに心から感謝します。このデータが、できるだけ多くの方の研究や議論に役立ってくれればと願っています。