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papers研究成果
2025.12.02
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重症COVID-19の回復期におけるNK細胞の多様化メカニズムを解明Mapping NK cell diversity in response to COVID-19 and mRNA vaccination

奥崎大介 特任准教授(大阪大学免疫学フロンティア研究センター/感染症総合教育研究拠点 兼任)らの研究成果が公開されました。

概要

大阪大学 免疫学フロンティア研究センターの榊原修平 招へい准教授、奥崎大介 特任准教授らの研究グループは大阪大学医学部 4 年生(MD プログラム)の岸 陽介さんと、重症COVID-19患者およびmRNAワクチン接種者の血液に含まれるナチュラルキラー(NK)細胞を 1 細胞レベルで解析し、COVID-19感染とワクチン接種という異なる免疫刺激下でのNK細胞の多様化メカニズムを解明しました。NK 細胞はウイルス感染やがんに対する初期防御に重要ですが、その多様性がどのように形成されるのかは十分に分かっていませんでした。本研究では、重症 COVID-19 からの回復期において、強力な細胞傷害活性を持つ「適応型 NK細胞」が増加することを発見しました。一方、mRNA ワクチン接種後にはこのような適応型への分化は誘導されず、未熟な細胞の増加といった異なる応答を示すことが分かりました。さらに、遺伝子発現の軌跡解析により、NK 細胞が成熟する過程で、特定のシグナルにより適応型へと運命決定される分岐点が存在することを突き止めました。

本研究成果は、英科学誌「Scientific Reports」に 2025 年 10 月 28 日に公開されました。

Title

Mapping NK cell diversity in response to COVID-19 and mRNA vaccination

Authors

Yosuke Kishi, Yu-Chen Liu, Masakazu Ishikawa, Maika Yamashita, Hisatake Matsumoto, Hiroshi Ogura, Shuhei Sakakibara and Daisuke Okuzaki

Journal

Published online in Scientific Reports (2025) on October 28, 2025

DOI

https://doi.org/10.1038/s41598-025-11575-w