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2024.8.23
Newly developed humanized anti-CKAP4 antibody suppresses pancreatic cancer growth by inhibiting DKK1-CKAP4 signaling 【in Cancer Science(online)】
大阪大学感染症総合教育研究拠点の菊池章特任教授(常勤)と大学院医学系研究科医学科教育センターの佐田遼太助教らの研究グループは、独自に見出したがん細胞の増殖を促進するDKK1-CKAP4シグナル経路※1を阻害するヒト化抗CAKP4抗体を開発することに成功しました。
今後、がんの新規治療法の開発と臨床応用の端緒となることが期待されます。
本研究成果は、「Cancer Science」(オンライン)に2024年8月8日に公開されました。
Title:“Newly developed humanized anti-CKAP4 antibody suppresses pancreatic cancer growth by inhibiting DKK1-CKAP4 signaling”
Authors:Ryota Sada, Hideki Yamamoto, Shinji Matsumoto, Akikazu Harada, and Akira Kikuchi
【用語解説】
※1 DKK1-CKAP4がんシグナル経路
2016年に菊池章特任教授(常勤)らの研究グループが見出した新規がんシグナル経路。細胞外分泌タンパク質DKK1が細胞膜受容体CKAP4に結合すると、PI3キナーゼ-AKT経路が活性化され、がん細胞の増殖を促進します。膵がんと肺がん、食道がん、肝がんでDKK1とCKAP4の両タンパク質が高発現している症例は予後不良であることが判明しています。今回、DKK1-CKAP4がんシグナル経路を遮断するヒト化抗CKAP4抗体の開発に成功しました。
菊池 章特任教授のコメント
これまでマウス由来の抗CKAP4抗体で確認していた抗腫瘍効果が、今回開発したヒト化抗CKAP4抗体でも確認できたことで、将来のヒト膵がん治療を見据えた研究開発が前進しました。ヒト化抗CKAP4抗体による抗腫瘍免疫増強の分子機構を解明することが次の課題です。