チェコ共和国・オストラバ大学医学部長の訪問Visit by the Dean of the Faculty of Medicine, University of Ostrava (Czech Republic)
2025年9月12日(金)、チェコ共和国オストラバ大学医学部長のRastislav Madar 博士(衛生学・疫学)がCiDERを訪問され、オストラバ大学の概要についてご紹介いただきました。


オストラバ大学は1991年にオストラバ市に設立された公立大学で、医学部、理学部、芸術学部などを有し、学生数は約10,000人で、新しい学問領域や地域課題に対応した学部編成が特徴です。大学運営費の約90%は政府からの支援で賄われています。現在は、大型科学研究ハブプロジェクトLERCO(Life Environment Research Center Ostrava)を主導し、キャンパス内に新たな研究拠点を建設中です。LERCOでは、生物医学、自然科学、行動科学の3分野を基盤とし、基礎から応用まで幅広い研究を展開しており、環境問題や産業構造の変化に対応する学際的研究を推進しています。また、最近50年以内に設立されたヨーロッパ各地の“若い大学”と連携し、新たな学術的挑戦に取り組んでいます。

オストラバ大学病院は約1100床を有し、大阪大学医学部付属病院とほぼ同じ規模であり、年間入院患者は約47000人、年間外来受診患者は約600,000人です。医学部では、学部教育において、シミュレーション教育拠点「SIMLEK(Simulation Centre / Training Hospital)」を活用している点が印象的でした。学生は臨床実習前に、AIや患者ロボットを用いた模擬診療を体験できます。救急外来や集中治療室、手術室、分娩室など実際の病院設備を備えており、医療現場に近い環境で学習可能です。医学生に限らず、看護学、助産学、理学療法、作業療法など幅広い医療系分野の学生や医療従事者も利用し、チーム医療教育の場としても活用されています。


また、訪問の前日・同日には、EXPO2025においてチェコ共和国オストラバ市の紹介行事が開催され、オストラバ市と大阪市が姉妹都市協定を締結する予定です。
CiDERからは金田安史 特任教授、菊池章 特任教授、CAMaDからは高島義裕 特任教授 が出席し、大阪大学の沿革や関連研究施設の概要を紹介するとともに、地球温暖化と感染症リスクについて意見交換を行いました。さらに、安藤忠雄氏による感染症センター建築への想いを語ったインタビュー映像を視聴した後、1階エントランスホール、7~9階の共創スペース、共通機器室などを見学いただきました。
約1時間の滞在でしたが、今後のオストラバ大学と大阪大学との連携の可能性に関心を寄せられました。

