Pierre Van Damme教授の来学
2025年6月26日(木)、ベルギーアントワープ大学・ワクチン接種評価センター長であるPierre Van Damme教授が、大阪大学 感染症センターを訪問されました。Van Damme教授は、ワクチン開発、感染症の疫学、臨床試験の実施、公衆衛生政策に多くの業績を有する著名な研究者です。
Van Damme教授から、ミーティングではデータを示しながらの意見交換をしたいというご依頼がありましたので、大阪大学からは、CiDERの金田安史、松浦善治、田鍬修平、菊池章、CAMaDの高島義裕、Ming Te Yoh、吉岡靖雄、西田純幸、微研の小林剛、渡辺登喜子、保健学研究科の杉山治夫各教員が参加しました。午前のセッションでは、まず大阪大学の沿革や、CiDER・CAMaDをはじめとした関連研究施設の概要を紹介した後、Van Damme教授から、ベルギーのワクチン開発のためのエコシステムやヒト感染症チャレンジテストの概要について紹介していただきました。健康なボランティアに病原体を接種することにより、治療薬やワクチンの効果を早く、効率よく評価できるチャレンジテストは、日本ではまだ導入されていませんので、大変印象深い取り組みに感じました。続いて、高島先生がWHOでの勤務の経験をもとに、西太平洋地域のワクチン接種プログラムについての現状と今後について紹介されました。その後、感染症センターの7~9階の共創スペースや、7階の共通機器室を見学していただきました。
午後のセッションでは、田鍬、Ming Te、小林、渡辺、菊池各教員が、それぞれ「フラビウイルス」、「エンテロウイルス」、「ロタウイルス」、「エボラウイルス」、「ヒトパピローマウイルス」についてワクチン開発の現状や、接種状況等について紹介し、Van Damme教授と意見交換を行いました。
Van Damme教授は4月に来学された英国のPiot教授と同様に、ワクチン開発について影響力のある研究者ですので、今後アントワープ大学と大阪大学、あるいは研究所間等での連携構築が期待されます。



