【行動経済学ユニット】
ガイドブック『自治体職員・保健師のためのナッジ活用術~風しんの集団免疫を獲得せよ~』を制作
2023年度に44歳~61歳を迎える、
大竹 文雄
佐々木 周作
風しんの追加的対策として、2019年度から、公的な予防接種の対象から外れていた年齢層の男性を対象に、風しんの抗体検査・予防接種が無料化され、居住する市区町村から、クーポン券が郵送されています。しかし、目標とする受検率・接種率には大きく届いていません。
私たちは、2022年7月に、対象年代の男性のうち、2019~2021年度には風しんの抗体検査を受検しなかった人たちに、アンケートを行いました。「子どもの頃に、風しんのワクチン接種を受けたかどうか」を質問したところ、2人に1人(55%)が「受けた」と回答したので、とても驚きました。
繰り返しになりますが、実際には、公的な予防接種は行われていません。しかし、かなり昔のことなので、受けたと勘違いしていたり、はしか・水ぼうそうの接種経験や感染経験と混同していたりする可能性があることに気づきました。私たちが新しく制作したリーフレット・ポスター・動画では、「思い込みの可能性」に気づいてもらうためのメッセージを強調することで、自分事にしてもらえるように働きかけています。
無料化が終了する2024年度末までに目標を達成し、日本社会が風しんの集団免疫を獲得するために、本ガイドブックをご覧いただき、自治体からのクーポン券送付時や、企業での健診案内時に、私たちの制作したリーフレット・ポスター・動画の効果的な活用をご検討ください。
*本ガイドブックは、厚生労働行政推進調査事業費の新興・再興感染症及び予防接種政策推進研究事業「風しん第5期定期接種の対策期間延長における風しん予防接種促進に関する研究」の成果物です。
〈企画・制作〉
大阪大学 経済学研究科 / 感染症総合教育研究拠点(CiDER)行動経済学ユニット
〈制作協力〉
NPO法人PolicyGarage,nae株式会社
〈お問い合わせ〉
大阪大学 感染症総合教育研究拠点(CiDER)行動経済学ユニット