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大阪大学

あなたの職場では「風しんの抗体検査」を受けられますか?
~健康経営の行動経済学~

 

企業が社員の健康予防を効果的に促進することの重要性が増していますが、見落とされがちなのが「風しん対策」です。 今年44~61歳を迎える男性は、子どもの頃に風しんの公的接種の機会がなく、抗体をもたない人が他の世代よりも多いのです。この世代の男性がきっかけで妊娠初期の女性が風しんに感染すると、赤ちゃんが心疾患・白内障・難聴をもって生まれる可能性があります。厚生労働省は、抗体検査・ワクチン接種を無料で受けられるクーポンを配布してきましたが、目標の受検率・接種率には大きく届いていません。 職場でのまん延を防ぐために受検や接種を促すにはどうしたらいいか?行動経済学の対策と国内の実践例をご紹介します!

 

 

【大阪大学感染症総合教育研究拠点 副拠点長・特任教授】
大竹 文雄

1961年京都府生まれ。大阪大学博士(経済学)。大阪大学助手、大阪府立大学講師、大阪大学社会経済研究所教授、大阪大学大学院経済学研究科教授等を経て、2021年から現職。専門は労働経済学・行動経済学。格差問題の実態と原因を実証した著書『日本の不平等―格差社会の幻想と未来』で日本学士院賞、サントリー学芸賞、日経・経済図書文化賞などを受賞。著書に、近著『あなたを変える行動経済学』の他、『競争と公平感』『競争社会の歩き方』『経済学は役に立ちますか?』『行動経済学の使い方』など多数。

 

【大阪大学感染症総合教育研究拠点 科学情報・公共政策部門 行動経済学ユニット 特任准教授】
佐々木 周作

 

1984年大阪府交野市生まれ。京都大学経済学部を卒業後、三菱東京UFJ銀行(現・三菱UFJ銀行)に入行。退職後、大阪大学大学院経済学研究科博士後期課程にて、博士号(経済学)を取得。日本学術振興会特別研究員DC1及びPD・京都大学大学院経済学研究科特定講師、東北学院大学准教授を経て現職。専門は、応用ミクロ計量経済学・行動経済学・実験経済学。行動経済学会の理事とともに、中央省庁や地方自治体で有識者委員やアドバイザーを多数務める。