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大阪大学

フィールドワークから見る
コロナ禍での食生活の変化と豊かな暮らし

 

新型コロナウイルス感染症の流行により、食生活の風景は一変しました。日本をはじめ、様々な国で外食の自粛が進みました。食生活の楽しみが減ったという方も少なくないでしょう。その一方で、食生活の変化は必ずしもネガティブなだけでなく、今まで意識していなかった食の楽しみに気づいたりと、豊かな暮らしも生み出されています。本講義では、世界の台所の風景や社会との関係、日本で行われた食生活変容に関するインタビュー調査結果、コロナ禍での高齢者の健康の課題とスマートフォンを活用した共食の試みといった事例から、新型コロナウイルス感染症流行に伴い、食生活がどのように変わったか、どのように人との豊かなつながりが生まれたかを話し合います。

 

 

【大阪大学感染症総合教育研究拠点 連携研究員】
岡根谷 実里
世界の台所探検家。東京大学大学院工学系研究科社会基盤学専攻修士前期過程修了後、クックパッド株式会社に勤務し、独立。世界各地の家庭の台所を訪れて一緒に料理をし、料理を通して見える暮らしや社会の様子を発信している。講演・執筆・研究のほか、全国の小中高校への出張授業も実施。訪問国/地域は60以上。著書に「世界の食卓から社会が見える(大和書房)」他。
【大阪大学大学院人間科学研究科 講師
大阪大学先導的学際研究(OTRI)産業バイオイニシアティブ研究部⾨ 講師(兼任)】
木村 友美
専門は栄養学、公衆衛生学。京都大学医学研究科・社会健康医学系専攻博士後期課程修了後、京都大学東南アジア研究所・研究員を経て現職。疫学調査を軸に、食と健康をとりまく社会文化的背景や自然環境を包括的にとらえる研究スタイルを「フィールド栄養学」と呼び、国内外でフィールド調査を行っている。主な調査地は、ヒマラヤ高地(インド・ラダック地方など)、インドネシア・パプア州、タイ・ナコンパトム、高知県土佐町。
【大阪大学感染症総合教育研究拠点 特任教授】
村上 道夫
博士(工学)。東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻博士課程修了後、科学技術振興機構研究員(東京農工大学)、東京大学大学院工学系研究科リサーチフェロー、東京大学総括プロジェクト機構「水の知」(サントリー)総括寄付講座特任助教、同講座特任講師、東京大学生産技術研究所特任講師、福島県立医科大学医学部健康リスクコミュニケーション学講座准教授を経て、2021年8月より現職。専門はリスク学。著書に「基準値のからくり―安全はこうして数字になった」(講談社ブルーバックス、共著)など。
【大阪大学大学院人間科学研究科 教授】
杉田 映理
専門は文化人類学、開発人類学。途上国の社会開発、安全な水と衛生(トイレ・手洗い・月経対処)について研究している。主な研究対象地域である東部アフリカのウガンダでは、長短のフィールドワークを20年以上継続してきている。最近は、日本国内の学校保健や、トイレ・月経の問題の研究を行っている。編著書に『月経の人類学—女子生徒の「生理」と開発支援』(世界思想社)など。