阪大発
感染症情報サイト

大阪大学

第8回
感染者数推移から解き明かす新型コロナの流行メカニズム

複数の地域におけるCOVID-19流行曲線の解析から、新規感染者数の推移は従来のモデルから予想される指数関数ではなくゴンペルツ曲線※に従うことが明らかになりました。
本講義では、この特徴を再現する新しい感染症モデルを構築し、その仮説の検証を通して、COVID-19の流行メカニズムを明らかにする試みを紹介します。
※ ゴンペルツ曲線とは、指数の肩に指数が乗った二重指数関数のことで、生物の増殖曲線に応用されます。

【講義開始 / 16:40~】


■講師紹介

中野 貴志 氏

大阪大学 核物理研究センター センター長、大阪大学 感染症総合教育研究拠点 教授(兼任)

大阪大学核物理研究センター教授、2013年からセンター長を務める。専門は原子核物理学だが、難治性がんの新たな治療法として期待が集まるアルファ線核医学治療の開発等の産学連携による異分野融合研究にも取り組む。新型コロナウイルス感染者の増加率をリアルタイムで把握するための新たな指標としてK値を発案した。大阪大学感染症総合教育研究拠点 科学情報・公共政策部門長を務める。

 

池田 陽一 氏

九州大学理学研究院 物理学部門 准教授、大阪大学感染症総合教育研究拠点准教授(2021年10月当時)

2020年から九州大学理学研究院物理学部門准教授。2021年より大阪大学感染症総合教育研究拠点 科学情報・公共政策部門 特任准教授(兼任)を務める。専門は原子核理論で、素粒子クォークの複合体としての原子核・星内部の性質を、スーパーコンピュータ富岳を用いて解明する研究に取り組む。また、K値分析で得られた普遍性を鍵に数理モデルを構築し、感染症流行メカニズムの解明を目指す。