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大阪大学

【CiDERシンポジウム】参加者からの質問
〈通院・入院編〉

質問1)新型コロナウイルス感染症の後遺症はどのようなものでしょうか?

【感染症専門医】
忽那 賢志

 

様々な症状が遷延することがあります。

 

https://doi.org/10.1101/2021.09.22.21263998

 

味覚障害などの症状は(発症後)1年経過で大きく改善されますが、集中力の低下や抑うつなどは(発症後)1年経過していても症状が残っている割合が高いです。少なくとも1つ以上の症状が(発症後)1年経過後も約9%の方が症状が残っています。

 

質問2)新型コロナウイルスの治療と、従来入院が必要な病気の治療とではどちらが優先されているのでしょうか?また、それにはどのような理由があるのでしょうか?

【感染症専門医】
忽那 賢志

 

どちらも大事な治療ですので、どちらの治療も医療としてはしっかり行わないといけないところです。ただ、病院で働く医療従事者の数は、急に増やすことが難しいため、コロナの患者さんが増えてしまった時には、そこに人手が割かれて、例えば(従来入院の患者さんの)手術が遅れてしまったりということが起ってしまっているので、出来る限り、急にコロナの患者さんが増えてしまわないように、他の患者さんにもきちんと医療を提供できるようになんとか頑張ろうとしているところですが、一部、コロナではない患者さんの医療にも制限がかかってしまっている状況です。

 

質問3)感染対策を徹底していると思われる医療現場で、数人の感染ではなく、クラスターが発生するのは何が原因なのでしょうか?

【感染症専門医】
忽那 賢志

 

医療現場でのクラスターの要因は、ワクチンの感染予防効果の低下、職員の感染増加などがあります。

デルタ株まではワクチン接種によって感染の多くを防ぐことができていましたが、オミクロン株ではワクチン接種者も感染しています。

オミクロン株以降、感染者の激増によって職員の感染者が増えており、病院内に持ち込まれています。

病院内では手術や内視鏡など密接な接触機会が多くあり伝播が起こりやすい環境です。